さエコナビ通信 2023.02.01

さエコナビ通信 vol.133

今月のトピック
BIM(ビム)シミュレーションを活用した大規模修繕工事
某工場建物の老朽化改善工事

 

 そもそもBIM(ビム)とは何でしょうか? 

BIMとは、「Building(建物を) ・ Information(情報で) ・ Modeling(形成する)」の略です。建築物をコンピューター上の3D空間で構築し、企画・設計・施工・維持管理に関する情報を一元化して活用する仕組みです。

 

 BIMを活用した設計施工のメリットは、 

  • 施主様へのプレゼンテーションも容易で、仮想空間による建物の確認ができ、早い段階でイメージを共有することができます。
  • リアルな立体(3次元)として建物がバーチャルに立ち上がり、外観デザイン、建物開口の位置等検討、議論がスムーズに進めることが出来ます。
  • その場で設計変更も可能で、立体モデルを修正することで 関連項目が自動修正された状態をご覧いただけます。

など、メリットは多々ありますが、今回は、

 計画段階からシミュレーションを行うことができる

にスポットを当てて施工した様子をご紹介します。

 

 

 一般的なBIMソフトウェアの機能 

参考:『建築・BIMの教科書』,日刊建設通信新聞社出版 ,2020年8月,71ページ

 

 

今回の大改修棟 東西におおよそ18m×66m

 

 

 

 

 

工場内の半分が生産稼動している状態で、老朽化した部材を解体撤去し、屋根材、屋根トラス構造部、外壁材、 外部ファンを新設する大規模修繕工事を行う為、工事着手前に、BIMによる施工シミュレーションで検討を行いました。

 

▲既設工場内でのクレーン工事が困難なことが予想された為、クレーン車の選定、作業範囲、作業効率を検討しました。

 

▲BIMによる建物の3Dモデルで施主様に分かりやすく説明ができました。工事中のフォークリフトの動きも説明でき、工事承認を得るのに役立ちました。屋根の鉄骨を部分的に取り外した構造確認、また視覚情報で認識共有も図れました。

 

 

Point!

新設の鉄骨下地屋根材、トラスも、3Dモデル作成により、「設計段階と竣工(施工)のイメージが大きく違う」といったすれ違いの問題が起きる可能性を減らす事ができます。

 

 

BIM設計担当者の声

お客様から建物情報や建物内の生産機器など多くの情報を共有いただき、バーチャル空間を再現する事で詳細な工事計画が作成でき、弊社業務を円滑に進める事が出来ました。また、お客様とバーチャル空間を共有することで、意見の食い違いを最小限に出来たと思います。今後もお客様と共に、働きやすくかつ生産性の高い環境整備の一助となれればと思います。

生産設計G 伊藤(太)

 

 

▲工事エリア周囲には作業スペースがない為、隣接建物の屋根を部分的に取り外して、クレーンを配置して作業を行いました。

 

 

▲屋根材等の解体工事を行いながら、クレーンで引き上げ撤去しました。

 

 

Point!

新設の鉄骨下地屋根材、トラスも、3Dモデル作成により、「設計段階と竣工(施工)のイメージが大きく違う」といったすれ違いの問題が起きる可能性を減らす事ができます。

 

 

工事担当者の声 / 工務部 犬飼

建物老朽化に伴う構造体更新工事において、従来の図面(紙媒体)では把握しにくい点の確認・楊重計画の可否の判断など、BIMによる工事計画の立てやすさ・お客様へご説明する際にイメージの伝えやすさは、3Dモデルならではの『楽さ』を感じました。建物の建て替えに比べて工場の稼働停止期間を短く工事が可能となるので、老朽化にお悩みの方はご参考にしていただければ幸いです。

 

 

 

 ほっとnews 

 

 

2022年6月号掲載の(有)ライン工業様新工場にて、囲柱(いちゅう)ラーメン木構造の製作が12月から始動しました!!

 

 

 

地産地消をモットーにされており、四方の木材は、今回、建設地が愛知のため、愛知県産ヒノキを使用するといった、粋な『木遣い』がステキです!

 

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