さエコナビ通信 2022.06.15

さエコナビ通信 vol.125

今月のトピック01
有限会社ライン工業様
囲柱組立工場 新築工事

 

外壁WOOD.ALC(ウッドエーエルシー)(厚板集成材)の暴露試験設置

耐候性を確認するためのテスト壁

  • 多彩な色調と保護塗料ノンロット7色、リボス4色、液体ガラス5色の3種16色
  • 経年劣化状況の観察をし、外壁材として「向き」「不向き」の判断検証を行います。

 

WOOD.ALCとは

WOOD.ALC(以降W.ALC)とは木造、S造、RC造に外壁や床等の主要構造部の木質化が図れます。施工も一般に流通するALC工事に準ずる部分が多く、設計・施工者にも扱い易いシステムです。

▲工場を新築するにあたり、夏場でも火を使う作業の為、「従業員に優しい環境で働いてほしい」との滝本社長の想いで、外壁にW.ALCを選定されました。

 

基本納まり シンプルな構造

▲自重受け金物

W.ALCに自重受け 金物先止め施工

矢印

▲取付け(下部)

自重受け金物にて アングルへ引掛ける。

 

W.ALCの特徴

  • 60分準耐火大臣認定取得。
  • 一般に流通しているALC工事に準ずる部分が多い為、特別な工事・工具も不要で、重量も軽い。
  • 木材を厚く使う構成のW.ALCは、断熱性と蓄熱性に優れているため、室内温度環境が安定し、省エネにつながります。
  • 集成材の為、木材の紫外線・雨や湿気による劣化対策、竣工後の材の変形が注意点。

(新建材であり、ライン工業様でメンテナンスを含めて最適な仕上げ塗材等を研究されています。)

 

ライン工業様開発の「囲柱 (いちゅう)ラーメン木構造」の外皮としてW.ALC採用を思案・提案されています。

ラーメン+非耐力壁(W.ALC)の木造化プロジェクトです。 本裏面にてご紹介いたします。

 

 

 

お客様の声 / 生産管理部 部長 奥村様

オンタイムに施工計画どおりに工事を進めて頂きました。我社も業種は同じで、見習う点もあるという目線で見ておりました。遠隔カメラ設置で異変があれば即対応するなどと、整った管理体制で施工して頂けました。

 

有限会社ライン工業

[所在地]岐阜県可児市大森1501-2730

[設立]1985年10月28日

[事業]
◯各種プラント製作・据付・修理 
◯専用機設計・製作
◯製缶・配管 
◯建設/土木・製作金物 
◯3D-sign(看板)
◯3D-interior decoration(雑貨) 
◯新構造体「囲柱ラーメン木構造」製造・建方

 

 

 

 

 


 

今月のトピック02
有限会社ライン工業様
独自開発の囲柱ラーメン木構造

 

囲柱ラーメン木構造とは

一般流通材である角木材4本を専用金物で『一体化した柱』とし、その構成柱に梁を挟み込み『立体交差』をすることで梁の回転を抑えた一体構造をしています。耐力壁に頼らず大開口の空間をつくり出せるのも特徴です。木造と鉄骨造双方の長所が生かされているこの構造体は、耐震性が強く、鉄材よりはるかに軽く、またシステム化された工程により製作・組み立てが速く、従来工法よりも安いという特長を持っているとされています。

 

 

4本の柱を一体化した姿を上から見ると「囲」と見えることをヒントに『囲柱ラーメン木構造』と名付けられました。

 

▲梁の中に電気配線を通して、 すっきりした空間に演出できます。

 

囲柱ラーメン木構造のメリット

  • 人にやさしい、木の香り、ぬくもり、自然の感じでホッとするなど、五感効果が得られます。
  • 木材自体に断熱効果があり、鉄骨の約20倍の効果があるとのことです。
  • 6m木造フレーム全体を開口とすることができ、意匠計画の自由度が広がります。
  • 「柱」「梁」共に材料の「剛性」を保持したままの構造強度は一般木造における壁倍率の13倍とのこと。
  • 木と専用金物を組み合わせることで軽量化を実現、現場での組み立て・運搬も楽で、飛躍的に作業効率が向上します。
  • 準耐火性能にも対応可能です。

 

 

今、日本は2050年までにカーボンニュートラル(温暖化ガスの実質排出ゼロ)の達成を目指しています。

 

【 カーボンニュートラル 】

 

地球温暖化を防ぐためには、大気中へのCO₂放出を減らし、さらに、大気中からCO₂を取り除く、取り組みが必要です。

  • 木材利用は、鉄等の資材に比べて、製造や加工過程のエネルギーが少なく、CO₂の排出量が抑制されることになります。(省エネ効果)
  • 木質のエネルギー(木質バイオマス)利用は、大気中のCO₂濃度に影響を与えない「カーボンニュートラル」な特性を有しており、化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)の使用を抑制することができます。(化石燃料代替効果)
  • 木材を利用することは、木材中の炭素を貯蔵することにつながります。(炭素貯蔵効果)

 

【林野庁】建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の表示に関するガイドライン

https://www.rinya.maff.go.jp/j/mokusan/mieruka.html

 

 

弊社もJAS構造材を利用した鉄骨造の木質化の活用拡大を宣言しました。

弊社は創業以来「環境整備事業」を行い、SDGsに貢献していくなか、鉄骨と新たに木質の併用も選択肢として、「鉄」+「木」の可能性を探究していきます。木材は鉄等より製造時のCO₂排出量が少なく、また、木材利用することで、炭素を貯蔵していることになります。結果、大気中のCO₂を減らすことに繋がり、カーボンニュートラルの実現と地球温暖化防止と共に、更なるSDGsの可能性を更新していきます。

 

 

「あの(鉄骨造の)佐伯さんが、木を手掛ける!?」 と、少し業界がざわついたとか(談)

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