老朽化した建物の耐震補強を長きに渡り第1期から今回の第4期で全て完了しました。
(第1期106号・第2期116号・第3期124号に掲載済)
改修工事目的
今後予想されている大地震に備えて人命尊重と事業継続の観点から調査・診断後に建替えを含む補強工事の検討を行い、今回の耐震補強を実施しました。
第1期から第3期工事の振り返りと今回の第4期工事の概要
第1期 | 『スマートアタッチ工法』採用
工場内が火気厳禁の為、無溶接・短工期のスマートアタッチ工法にて、方杖(ほうづえ)補強を行いました。
[メリット] 壁ブレースがなく、室内空間を維持でき、大型機械との干渉がありません。
第2期 | 『アウトフレーム工法』採用
既存建物が特殊な構造で、一般的な補強工法が困難な為、外部に鉄骨のフレームを組み既設建物と一体化して建物を補強する工法を採用しました。
[メリット] 室内側での作業が最小限で行えます。
第3期 | 柱外部補強
外部に露出している柱や梁の補強やブレースを設置。また、天井裏の梁補強を行いました。
[メリット] 室内側からの仕上げ工事・撤去工事が最小限で済みます。
第4期 | 梁やブレースを総補強
天井裏の梁補強をメインに、ラチス補強、水平ブレースの増設、壁ブレースの増設を行いました。
[メリット] 大型機械・生産ラインを移動せずに作業が行えます。
耐震診断から耐震改修工事までの流れ
株式会社 トキワ
[所在地]
【東京本社】
TEL.03-3914-2111(代)
東京都北区王子一丁目9番5号 京徳ビル5階
【中津川工場】
本店/TEL.0573-66-1017
工場/TEL.0573-66-7356(代)
岐阜県中津川市桃山町3番20号
[設立]1948年7月23日
[事業]化粧品製造
第4期工事|天井裏の梁、壁、床ブレース等の補強工事を行いました
既存耐震診断の結果は判定レベル1のIs 値が0.3 以下(報告値) であり、倒壊の危険性が高い結果に至りました。
上記の結果を踏まえ、多種多様な工法を駆使して、それぞれの補強対象場所に最適な施工を実施しました。
◆ 壁ブレース補強
▲ブレースがあることによって、横からの衝撃に強くなり、構造体が変形しなくなります。
◆ 梁水平ブレース補強
▲水平ブレースを補強することで、屋根面の剛性を強くしました。
◆ ラチス部補強
▲既存大梁の丸鋼のラチス部材(ジグザグ部分)に強度アップのために拘束材を設置する補強をしました。
◆ 方杖(ほうづえ)補強
▲方杖は、柱と梁(天井裏の梁)の取合いに取り付ける斜めの部材で、建物強度の向上や揺れ防止といった点で活躍します。
◆ 水平梁溶接補強
第4期工事では、天井裏にダクト配管やエアー配管が多数あり、施工には非常に苦労しました。
工事を終えて
構造設計どおり施工完了して、地震が起こった際、震動や衝撃で建物が倒壊する危険性は低くなりました。
耐震補強工事第4期は、前回の工区とは工法も異なり、天井裏や梁補強がメインでした。今回は、ほぼ土日工事で作業を進め無事全ての工区にて耐震補強を完了する事ができました。耐震補強工事の期間中は、工場等の室内粉塵、臭気、害虫、異物混入が無いように作業を進めましたが、時にはお叱りを受ける場面もあり大変ご迷惑をお掛け致しました。長期にわたり、耐震補強工事に携わって頂いたトキワ従業員の皆さま並びに工事関係者の方々には、本当にお世話になりました。既存の建物を大切に使用する、補強して使用するといったトキワ様の維持管理や危機管理体制に共感し、大震災による建物倒壊や人的被害を最小限とし企業としての存続や人命の安全確保に繋がる工事に携われた事に感謝致します。
弊社へのお問い合わせは
こちらの
メールフォームからご連絡ください