SAEKIが基本的な心構えとして掲げる「熱意」「誠意」「感謝」は、日々の業務にどう反映されているのでしょうか。ここでは大手製造会社様の生産拠点となる本社第1工場の建設プロジェクトに関わったSAEKI社員2名の「誠意」を聞きます。
施工管理H.M
2016年に佐伯綜合建設に中途入社。前職も建設業で施工管理業務を担当。所持する資格は一級建築施工管理技士・一級土木施工管理技士・一級建築士。
生産設計T.I
建設業に従事する父の影響で大学は建築系の学部へ。2003年に佐伯綜合建設に新卒入社。所持する資格は一級建築士と一級建築施工管理技士。
H.M
私たちが参加させていただいたプロジェクトは、製造業大手のお客様の「本社第1工場 第3期工事」です。愛知県に本社を置くお客様で、車両用ボルトを中心に、様々な商品を開発・製造されています。プロジェクト全体は3年前の第1期工事に始まり、第3期工事は現在も継続中です。
T.I
このプロジェクトは他社設計、つまり別の建築事務所様が作成された図面を基に施工を行うという案件です。私は生産設計という立場で、細部の仕様や寸法の調整、BIMによる外観や内部配管の可視化などを担当しています。
H.M
第1期・第2期工事から継続するプロジェクトですから、既設の工場はすでに稼働しています。施工管理を担当する私は、通常の業務に支障をきたすことのないスケジュールを作成するため、お客様と綿密なコミュニケーションをとり、スケジュールを作成する必要がありました。
T.I
SAEKIのメンバーは私たちを含む6名で固定し、常に同じメンバーで対応することでお客様・建築事務所様に安心感を持っていただくよう心がけました。何か相談事があれば、すぐにうかがってヒアリングをする。当たり前のことですが、中規模の地場ゼネコンならではのフットワークの軽さを最大限に活かすことが、私たちなりの誠意だと考えています。
T.I
建設業界では、設計段階で限りなく完成形に近い正確な図面を作成することで施工現場の負荷を軽減するフロントローディング(前倒し)という考え方が一般的になりつつあります。このプロジェクトでも、施工前の合意形成にBIMが大きく役立ちました。周囲に既設工場などが建ち並ぶ狭小地での施工ですから、2Dの図面では把握しきれない部分が多かったんです。
H.M
例えば生産設備のレイアウトや配管の納まりは、従来の施工では「建ててみないと分からない」という要素が少なからずあり、それが施工現場での作業ロスにつながっていました。このプロジェクトでも、お客様は実際に生産設備が入った時に工場内がどういう状態になるかを気にされていました。それを施工前に可視化し、お客様に安心していただけるのがBIMの大きな強みです。
T.I
今回は既設工場の配管なども考慮しながら設計する必要があったのですが、お客様の手元には過去の詳細な図面が残っていませんでした。そこで役に立ったのが「点群データ」です。特殊なレーザー機器で配管などの情報を3D化してBIMに組み込みました。これもお客様の安心感につながったのではないかと思います。
H.M
その一方で、現場には様々なトラブルがつきものです。どれだけフロントローディングを進めても、トラブルをゼロにすることはできません。実は今回もご迷惑をおかけしたことがあり、社長以下現場スタッフ全員でお客様のところへうかがい、経緯を丁寧に説明した上で謝罪させていただきました。長くお世話になっているお客様にも緊張感を失うことなく、誠意ある対応を続けていく。このプロジェクトに関わる全員が、改めてそう感じた瞬間でした。
H.M
SAEKIでは基本的な心構えとして「熱意」「誠意」「感謝」の3つを掲げていますが、私はこのプロジェクトを通じて誠意を持ってお客様と向き合うことの大切さを改めて学びました。工場という建物は、一見するとどれも同じような「箱」に見えます。しかし、当然ながら目的や仕様は千差万別です。まずはお客様の業態をヒアリングを通じて熟知することが大切だと思います。先ほどもお話したように、このプロジェクトではお客様とのヒアリングを何度も重ね、動線や照明のシミュレーションを数パターンご提案しました。この業界では、お客様の答えが明確化されないまま工事が進んでいくことがよくありますが、そういった未確定要素を極力なくしていくわけです。このようなやり取りを通じてお客様が幸せになり、自分自身も成長できる。私がこの仕事に魅力を感じるのは、それが実感できた時です。
T.I
私も同感です。表面化した問題なら誰でも気づきます。しかし建設のプロフェッショナルである私たちは、今後起こり得る問題にいち早く気づき、その問題を解決するためのご提案をしなければならない。そのためにも熱意や誠意を忘れずお客様とコミュニケーションを重ねることが大切だと感じました。本当にお客様から感謝され、自分たちも感謝できるような関係性は、その先にしかないと思います。BIMにせよ、数年後に導入予定の遠隔管理にせよ、新技術の導入はあくまでも手段でしかありません。最終的にはそれを扱う人の気持ちが必ず反映されます。例えばBIMでウォークスルー動画をお見せする場合も、お客様が見たいアングルや要素をもれなく反映し、痒いところに手が届くご提案をするには人対人のコミュニケーションが欠かせない。今後もそのような気持ちを忘れず、様々なプロジェクトに関わっていきたいと思います。
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